渡良瀬遊水地で、数千匹の魚の大量死がありました。
4/17に遊水地を訪れた友人の話では、「トラックを使い廃棄しているが、まだ処分しきれていなかった」との事。
ネットでも、「渡良瀬遊水地」「魚の大量死」でたくさん記事が上がっていました。
それらの記事のポイントをまとめると・・・
●2022/3/14に渡良瀬貯水池内で少なくとも数千匹の魚が大量死しているのが発見された。
●水質調査の結果、環境基準値を超える有害物質は確認されず、水質に異常はなかった。
●原因としては、水位が下がっている状態で、水温が上昇し、酸欠になったと推察される。
●現在、死魚の回収作業を進めている
この時期の遊水地は干し上げ後、まだ水が入っていない状態です。2022/3/5の記事でこんなことが書かれています。
「現在は満水位より約6.7m下がった状態だ。この後、3月下旬から徐々に水位を戻していくという。」
水が少なく浅い状態で、熱を与えたらすぐに温まってしまいそう、そして、確かにこのあたり、みょうに気温が高かったようではあります。
とはいえ・・・ですよ。
私の経験上、自然下の池や沼の水温は過去3~5日の平均気温とほぼ同じくらいになります。
過去天気サイトで確認したら、最低/最高気温は次の通り。
3/10 1.2℃/15.2℃
3/11 5.2℃/17.7℃
3/12 5.3℃/22.7℃
3/13 7.1℃/20.1℃
3/14 11.0℃/25.7℃
3/14時点での、過去5日の平均気温は13.1℃、過去3日でも15.3℃。同じ3/14に、私も埼玉の沼で釣りをしていますが、水温は12℃でした。なので、遊水地の水温も12~15℃くらいだったのではないかと推測されます。
15℃で酸欠・・・???
夏場、最も暑い時期の遊水地は水温が30℃になり、この水温になると多くのハクレンが水面の数センチ下まで上がってきて、ハフハフやっているのを見かけます。よって、「水温30℃」というのが、ハクレンが酸欠になる温度だと認識しています。
それが15℃程度で酸欠とは・・・どうにも信じられないものがあります。確かな原因は分かっていないというのが、実際のところだと思われます。
ともあれ、ハクレンも大量に死んでしまったようで、とても残念なニュースです。
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関連情報サイトは下記の通り。
■渡良瀬貯水池(谷中湖)における魚の大量死について
■「ひどい臭い」魚が大量死 少なくとも数千匹か 渡良瀬遊水地の谷中湖
■渡良瀬遊水地で魚が大量死
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先日、ウチの近所の沼に出撃しました。
春になったとはいえ、まだ気温・水温ともに低いので、昼頃からやりました。
さて、その日の釣りですが・・・
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■2022/3/17 くもり 水温13℃ 西風あり→なし
仕掛け:
・磯竿3号4.5m
・小型のベイトリール
・ライン:ナイロン4号、ハリス:PE3号
・ハリ:チヌスレ6の2本バリ
・ハリス長:20cmと15cm
・エサ:食パン
・タナ:底
11:45 釣り開始。
13:40 ウキがゆっくり1目盛り入り、戻しという上下動を繰り返すアタリが出る。このアタリは・・・カメ特有のアタリである。アワせると、根掛かりのような手応え。そしてその「根掛かり」がゆっくり浮上してくる。うむ、間違いなくカメだ。かなり重い。
ランディングし、カメをひっくり返して仰向けにする。これは
「カメ釣り実戦講座2 ~ハリの外し方編~」という記事でも書いたが、ひっくり返されると、カメは防衛本能で首・手・足すべてひっこめ、じっとして動かない状態になるためである。大型のカメに暴れられて、手足の鋭い爪でケガをしないように、まず仰向けにする。
甲長25cmの立派なミシシッピアカミミガメだった。左後ろ足近くの甲羅の縁にフックしていて、ハリは簡単に外せた。
13:50 その次投。また、ゆっくり1目盛り入り、戻しという上下動が繰り返される。さっきのリピート映像のようなアタリである。やはり、これもカメ。
同じく甲長25cmのミシシッピアカミミガメ。ハリを2本とも飲まれており、チモトも全く見えないので口元近くでハリスを切った。
・・・というわけで、2連続でミシシッピアカミミガメをゲットしました。
もう季節は春ですね。3月はカメが冬眠から覚め、活発に餌を求める時期なので、カメ釣りのホットシーズン。近所の沼のカメもヤル気十分でした(^^)
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ここで、思い出したのが、去年見かけた或る釣り人です。私が別の釣り場を探索していた時のこと、衝撃的な光景を目にし、写真を撮らせてもらいました。
この状況のすごさ、分かりますか?
カメはひっくり返されると、防衛本能で首・手・足すべてひっこめ、じっと動かない状態になると書きました。しかし、ひっくり返されてから10分後くらいには、危険が去ったと判断して、自力で起き上がって逃げていきます。
この写真では、すべてのカメが仰向けのままでいます。これは、カメが警戒を解く10分以内に次のカメ、また10分以内に次のカメと隣に並んでいったことを物語っています。よって、カメたちは仰向けのまま警戒状態を維持しているのです。つまり、ほぼ入れ食い状態だったわけですね。
お話を聞くと、一日にカメを20匹以上釣ったこともあるとのこと。野には達人がいますね。まさに「亀マイスター」でした(^^)
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by kawataroo
| 2022-03-28 00:00
| カメ
寒くなりました。しかし、冬場の釣りは寒さだけでなく風も敵ですよね。体感温度が下がり、思うように竿が振れず、さらに釣り座を離れた途端に釣り台ごとひっくり返された日には、ヤル気が一気に低下します(^^)
このところ強風の日が続いていましたが、久々に風が穏やかな日があったので、ウチの近所の沼に出撃しました。
水温は5℃でした。
いくつかの養鯉業者のサイトを見ると・・・
・コイは水温8℃以下で冬眠に入る
・食べ物を消化できにくくなるので、水温12℃以下になるとエサ切り(エサ止め)する。つまりエサは与えない
・・・とのこと。
とはいえ、水温7℃の北浦で、コイが続けてアタってきた経験があります。だから水温が絶対ではないのですが、でもやはり8℃を切るとコイ釣りには厳しいのかなと思っています。
まあ、ダメもとの釣行です。
さて、この日の釣りですが・・・
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■2021/12/29(水)晴れ 水温5℃
仕掛け:
・磯竿3号4.5m
・小型のベイトリール
・ライン:ナイロン4号、ハリス:PE3号
・ハリ:チヌスレ6の2本バリ
・ハリス長:20cmと15cm
・エサ:食パン
・タナ:底
11:50 釣りスタート。
12:50 始めてから1時間経過。静かに仕掛けを上げてみると、エサのパンがそのまま付いている。小魚につつかれた様子すらない。今日はノーアタリで終了か・・・という気がしてくる(^^;
13:05 !?・・・。 ウキが1目盛り入り、そこから食い上げ、またツッと入る。合わせるとノッた。ガツンと竿が止まり、右へ右へと走り出す。反転し、今度は手前へ突っ込んでくる。このとき、水中かなり深い位置だったのに、なぜか魚影が見える。白・・・?
いったん沖に出してから、ゆっくり寄せてきて、ランディング。
55cmのりっぱな大正三色(ニシキゴイ)だった。
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・・・という釣りでした。
公園やお寺の池で見る分には違和感がないのですが、自然河川や野池でニシキゴイを釣ると、なぜだかビミョ~な気持ちになります。
放流されたコイでも、自然下で野生化したものは野ゴイです。そう考えると、このニシキゴイも野ゴイのハズなのですが・・・ううむ。
まあでも、アタリの少ないこの時期、コイはコイだということにしたいと思います(^^)
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by kawataroo
| 2021-12-30 00:00
| コイ
さいたま水族館の方からも勧めていただいたので、次に、魚類調査を主の業務としている「埼玉県水産研究所」にも訊いてみることにしました。やはり写真をメールで送って、確認してもらいました。こちらも返事が返ってきました。内容をまとめますと・・・
結論:明確なことはわからない
●通常、キンブナが15㎝程度、ギンブナが25㎝程度、ゲンゴロウブナが40㎝程度、ニゴロブナが35㎝程度であることを考えると、かなり大型のフナである
●フナの分類は、一般的に、鰓耙(サイハ)数、背鰭分枝軟条数、喉部の形態などで行う。喉部の形態は、あまり角張がみられないのでニゴロブナではなさそうである
●しかし、鰓耙(サイハ)数や背鰭分枝軟条数が判別できないため、明確なことはわからない
・・・とのことでした。
さいたま水族館の方も、埼玉県水産研究所の方も共通して言っているのは、「フナを分類する場合、側線有孔鱗数や側線上方鱗数などでの判断は難しいため、加えて鰓耙(サイハ)数、背ビレ条数、喉部の形態(下アゴの形)から総合的に判断する」・・・ということですね。
調査をさらに進めるには、また魔ブナを捕まえて、背ビレと尻ビレを開いた状態でその部分のアップの写真を撮るか、もっとも確実なのは、魔ブナの実物を持って行って、サイハ数を調べるために解剖を依頼することなんでしょうね。
今のところ、そこまではやらない気がしますので、ここらへんが、今回の調査の終了地点かなと思っています。
このフナの正体はわからずじまいでした。
調査を担当してくれた、さいたま水族館の方が個人的な感想として、メールの最後に書かれていたことですが・・・
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・日本の淡水魚は河川同士や沼、池同士の交流(洪水などにより魚が自由に行き来できる状態)が滅多にないため、池ごとに血統があり差が出ることもありうる。実際、シマドジョウは近年「ハカタスジシマドジョウ」や「タンゴスジシマドジョウ」など地域によって別種となった。
・沼や池などの流入経路がほぼなく、人為的な移入も少ない場所であれば、その沼固有の、少し変わったニゴロブナというような可能性も無いとは言い切れない。
・有用魚種(食用魚種)以外あまり調査されていない現代において、夢が広がる報告になるかもしれない。
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つまり、魔ブナは新種か固有種か突然変異種の可能性もありうるということですよね。もし新種なら、「魔ブナ」も正式和名の候補に・・・って、無理か(^^)
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50㎝以上ある巨ブナ・・・「魔ブナ」の調査を継続しています。
ちなみに、マブナは平板なイントネーションで発音しますが、魔ブナの場合は、「魔」の音にアクセントを置き、音階で言うと「ソミド」のような発音でお願いします(^^)
それは、さておき。
図鑑やネットでの調査では行き詰ったので、淡水魚専門の水族館である「さいたま水族館」に訊いてみようと、魔ブナの写真をメールで送って、確認してもらいました。すると、水族館から返事が返ってきました。詳細でとても丁寧なご返事でした。
さらに色々と質問したいことがあったので、何往復もメールでやり取りさせてもらいました。その要点を取りまとめて書きますね。
結論:明確な同定はできなかった
●フナ類の同定方法
フナの場合、側線有孔鱗数や側線上方鱗数などでの判断は、枚数がほぼ同じで難しいため、加えて鰓耙(サイハ)数や背ビレ条数などを計数し総合的に判断する。(鰓耙数を計数するには解剖が必要)
●ゲンゴロウブナの可能性
側線有孔鱗数、側線上方鱗数がゲンゴロウブナに当たる数を有しているものの、体高が低い様子からゲンゴロウブナではない可能性が高い。
●ニゴロブナの可能性
・埼玉県で養殖をしているところはあるらしい、というぼんやりとした情報のみで、埼玉県で野性下のニゴロブナが採捕されたという公式な採捕記録などは無い。
・さらに、側線有孔鱗数がニゴロブナの場合29-32枚だが、写真の個体では33枚あり、下顎の角ばりもあまり無いことから、ニゴロブナでもなさそうである。
参考:側線有孔鱗数→コイ33-38枚、ゲンゴロウブナ29-33枚、ギンブナ28-31枚、ニゴロブナ29-32枚、ナガブナ28-32枚、キンブナ26-30枚
●フナコイの可能性
ヘラブナ♀×ヤマトゴイ♂では孵化率が90%もあるため、フナコイ交雑種の可能性があるかもしれない。
・・・というお話でした。
ニゴロブナについて、少し捕捉しますと、ゲンゴロウブナの次に大型になるフナ(最大体長35~40cm)なので、検討対象に入ったようです。しかし、下アゴに角ばりがあるのがニゴロブナの大きな特徴なのですが、それが無いのと、側線有孔鱗数がニゴロブナに該当しないのとで、ニゴロブナでもなさそうだということです。
さいたま水族館から、魔ブナの写真を分析した結果の写真を送っていただきました。写真を拡大しないと分かりませんが、すごいですよ。フナの体に引かれた赤い線と青い線のように見えているのは、小さな数字で記入された側線有孔鱗数と側線上方鱗数です。「ああ、ここのウロコの数を数えるのか」・・・と、とても勉強になりました。
しかし、これはあくまでも私の考えなのですが、フナコイの可能性は低いのではないかと考えています。その理由は・・・
1.コイの特徴が全く見られない
今まで何回もフナコイを捕まえたことがあります。フナ(主にヘラブナ)とコイの交雑種なので、両方の特徴が入っています。しかし、魔ブナには、コイの要素が入っている感じが全くしません。
2.水草の豊富な沼であること
魔ブナを捕まえた沼は、沼の半分が水草地帯で、残りの半分で釣りができるという沼です。
同じ水域に生息するコイとヘラブナは、通常は異なる産卵場所を選ぶが、産卵場所にできるような水草の茂った浅場が少ない水域では両者が同じ場所に産卵し、その結果、フナコイ交雑個体が生まれることになる・・・わけですが、この沼には水草のある場所、つまり産卵場所は豊富にあるので、これにあてはまりません。
3.出現頻度が高すぎる
フナコイはときどき釣れるという出現頻度で、そればかりが釣れるというのは、感覚的に違和感があります。Tさんは、その沼で40cm以上の魔ブナを8匹捕まえており、フナコイだとすると出現頻度が高すぎると感じます。
私が以前に釣った、フナコイの写真です。体高の高さや平べったさといった体型はヘラブナそのもので、顔やウロコの感じはコイという個体でした。魔ブナとは全然違いますよね。
さらに、魔ブナの調査を続行します。
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