淡水五目釣り　~Fish bless you!~ kawataroo.exblog.jp

• 荒川を航行するボートに糸を切られたら
  [ 2011-03 -07 15:41 ]
• 荒川はどのあたりまで汽水域か？
  [ 2010-12 -24 17:17 ]

私が戸田橋～笹目橋あたりの荒川にときどき釣りに行くことは、以前ブログに書きましたが、この辺りの荒川で、航行するボートが釣りの(主にコイのブッコミ釣りの)仕掛けを引っ掛けてしまうトラブルをときどき見かけます。

先日もモーターボートが、ブッコミ釣り３本の糸をスクリューに巻き込んで、すべての仕掛けが切れてしまったという状況を見かけました。
糸を引っ掛けられたコイ釣りの人は、落としオモリというのを道糸に通して、かなり手前でラインを沈めてありましたので、相当に岸寄りをボートが走行してきたようでした。

このようなことがときどきあるので、荒川における船舶航行規則ではどうなっているのか疑問を持ち、調べてみました(^^)
以下は調べた結果です。

まず、国交省の定めた『荒川通航規則』では、下記のように規定されていました。
この規則の適用区域は、荒川河口から秋ヶ瀬取水堰までです。
(以下は次のサイトから抜粋)
http://www.ktr.mlit.go.jp/arage/goto/navi/pdf/doc_koji.pdf

*****　ここから　*****
（動力船の通航方法）
第四条　動力船は、通航又は船着場等への接岸に当たっては、接触又は航走波による次に掲げる支障を与えないよう努めなければならない。
（中略）
（二）漁業、ボートこぎ、釣り、水遊びその他の船舶等の通航への著しい支障
*****　ここまで　*****

これで言うと、今回私が見たトラブルは「動力船の接触による、釣りへの著しい支障」に該当しますね。

また、「戸田橋～秋ヶ瀬橋間の片道約9kmは乗艇練習水域」とのことで、この区間は手漕ぎボートの練習をしても良い区間になっているようです。

そして、この区間の『荒川出艇要領』には下記のような記載がありました。
(以下は次のサイトから抜粋)
http://d.hatena.ne.jp/oyajisculler/20101122

*****　ここから　*****
１０． 釣り人
荒川では、我々が自由にボートを漕ぐ事ができるのと同様に、釣りも自由に行うことが出来る。戸田コースについては釣りが禁止されているので、我々は釣り人に対し、厳しく対応できるが、荒川ではこれは通用しない。釣り人は、荒川を利用する我々と同じ川好きの仲間と認識する必要がある。（流石に、岸蹴り場で我々が出艇・着岸をする際に釣り糸を垂れられると困るが。。。）

従い、彼らが釣り糸を垂れているところでは、極力釣り糸に触れぬように糸を避けて通る様にする必要がある。もし、糸が見えずに釣り糸をオールや船体に引っ掛けてしまった場合には、釣り道具を痛めないように丁寧に糸を外す様にする。万一、こちらの過失で釣り糸を引っ掛け、糸を切ったり釣り竿などの道具を壊してしまったりした場合には、損害を賠償する必要がある。ボートチームや個人がスポーツ保険や障害保険に入っていれば、上記のようなスポーツ中の事故で賠償責任が発生した場合には、保険適用の対象となる。

釣り人が釣り糸を垂れる場所は、概ね決まったところなので、そういうところを通る際には、岸から離れ、糸が絡まないところを漕ぐようにする。
*****　ここまで　*****

というわけで、ボートに乗る方が優先なのでも釣りをする方が優先なのでもなく、両者は荒川を楽しむ対等の者同士なわけです。
今回のようなトラブルにもし見舞われたときは、穏やかに話し合って、釣り人は損害分を弁償してもらえばイイということですね(^^)



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これは、荒川での釣りに興味の無い人には全く関係の無い、とてもローカルな話題です(^^;

私は以前、東京の板橋区に住んでいたことがあり、車で10分ほどで行ける一番近い釣り場が戸田橋～笹目橋あたりの荒川でした。なにぶん近くて行きやすかったこともあり、その頃は毎週末、釣りに通っていました。今は、埼玉に引っ越してしまったため、かなり遠くなってしまいましたが、それでもやはり、かつてのホームグラウンドのあたりが懐かしく、釣行回数は減りましたが、今もこの辺にはときどき釣りに行きます。

荒川の戸田橋～笹目橋あたりは河口からだいぶ距離があるのに、まだ、かなり潮の満ち引きの影響を受けます。満潮時と干潮時では1mかそれ以上水位が変わります。大潮の引き潮に行ったときなど、いつものポイントに入ろうとしたら、そこが完全に陸地になっていてガッカリしたことがあります。

それだけ潮の影響を受けるので、現地で出会う釣り師たちはみな「このあたりは、汽水だ」と言います。

しかし・・・ですね。
釣れる魚はといえば、コイ・ヘラ・ニゴイ・ソウギョ・ハクレン・ウグイ・スゴモロコ・タモロコ・ボラなどで、淡水の魚ばかりです。唯一、この中で汽水魚といえるのはボラですが、でもボラは完全な淡水域でも平気な魚なので、ここが汽水であることの証明にはなりません。

私は「このあたりは、皆が言うように本当に汽水なのか？」という疑問を持ちました。潮の影響は受けるものの、もしかしたら淡水域なのではないか・・と思ったわけです。そこで、塩分濃度はどのくらいなんだろう・・・と思い、 私のホームグラウンドにおける上流域、笹目橋近くで満潮時と干潮時に採取した水で調べてみることにしました。

個人の趣味の範囲においてはですが、けっこう精度の高い「塩分濃度屈折計」というものがあり、なぜか私はコレを持っています(^^;

これで測ってみました(^^)
結果は・・・ゼロです

この塩分濃度屈折計は塩分濃度0～100‰まで測れるのですが、でも最小測定単位は1‰なので、1‰未満の濃度はわかりません。この検査器具としては、これが限界です。 ちなみに、‰というのはパーミルという単位で「千分の1」を表します。したがって、パーセントに直すと、「この塩分濃度屈折計は塩分濃度0～10%まで測れ、最小測定単位は0.1%」ということになります。

つまり、塩分濃度は1‰(0.1パーセント)未満ということは、まず、分かりました。

これで調査を止めるのも悔しい気がしたので(^^;、もう少し調べてみようと思い、採取した水100ccを一度完全に蒸発させ、1ccの水を加え100倍濃縮で測ってみることにしました。

すると・・・出ました(^^)v

満潮時

干潮時

写真がややピンボケになってしまいましたが、満潮時36‰、干潮時40‰です。干潮時の方が塩分濃度が高いという結果になりましたが、これは測定誤差の可能性は十分にあります。なにぶん素人が素人の器具でやっている調査ですので(^^;

でも、これで確かに汽水であることは確認できました。
といっても、100倍濃縮で40‰ ですから、実際は 0.4‰(0.04パーセント)です。

これは、水1Lに対し0.4g、水10Lに対してなら4g(ティースプーンに1/4程度)の塩しか入っていないという塩分濃度ですから、ほとんど淡水に近いです。

川魚の白点病治療に塩水浴が効果的ですが、そのときの塩の投入量が水10Lに20g(0.2パーセント)です。これが浸透圧の作用で白点原虫が死ぬ濃度なんですが、4gでは白点原虫も死なない濃度です。また、海水の濃度はというと、10Lに350g(約3.5パーセント)の塩分濃度ですから、この薄さでは海の魚が生存できる濃度ではありません。淡水魚ばかりが生息していることも頷けます。

荒川は、秋ヶ瀬取水堰の手前まで潮の満ち引きの影響を受けますが、堰の上流は影響がないので、おそらく、ここまでが荒川の汽水域なのでしょうね。

あの・・・これはあくまでも素人が面白半分で行った調査ですので、念のため(^^;


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