これは、釣りの話ではなく、かつて私が熱中していた「にったん」(日本の淡水魚飼育)の話ですが・・ハクレンを飼ったことがあります。ハクレン釣りにも興味のある方には何かの参考になる事があるやもしれませんので、お話してみようと思います(^^)
ハクレンは私の好きな魚の一つです。釣りの相手をしてもらっても素晴らしいファイトで応えてくれますし、また、奇麗な魚だとも思っています。この白銀の魚、ハクレンを水槽で飼ってみたいと思い、昔のことですが、1996/2/18-1997/7/6まで約1年半飼育しました。
釣りの相手になってくれるような80cmだの90cmなんてサイズは、いくらなんでも水槽飼育の対象外ですから(^^;、飼育するのはハクレンの幼魚です。
しかし、飼ってみたいと思ったものの、どこで手に入るのやら皆目見当もつきません。今は、日本の淡水魚を扱っている熱帯魚ショップでしばしば見かけますが、この当時、ハクレンはショップにいることはない魚でした。
また、飼育方法もわかりません。色々な川魚飼育の本を読み漁ってみましたが、ハクレンの飼育方法はどこにも書いてありません。
以前、さいたま水族館で10cmくらいのハクレンの幼魚を水槽展示していたことを思い出し、ハクレンの飼育方法を訊いてみることにしました。この頃、さいたま水族館のインターネットサイトはありませんし、そもそも、まだメールの時代ではありませんでした。ですから「手紙」を書きました(^^;
その後、返事が来て、本当に親切で丁寧な説明をしてもらいました。その手紙は今でも保管していますので、引用してみますね。
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■ハクレン幼魚の入手について
A:県内には養殖業者(ソウギョ、レンギョ生産組合)が有り、ここの組合で生産された魚は全て、埼玉県養殖漁業協同組合で販売されています。販売価格は魚の大きさにより規定されているようです。
ハクレンの利用価値としては、半年かけて養殖され、15cm程度に育ったものを冬場に甘露煮として加工販売しています。
B:河川における採捕については、埼玉県漁業調整規則で全長18cm以下は取ってはならない事になっています。
また、利根川及びその支派流の区域では産卵のため6月20日~7月19日までの間、全長60cm以上のハクレンは取ってはならない事になっています。
■餌について
ハクレンは、植物性のプランクトン食です。
養殖をしている場合1年間くらいは人工飼料(コイ用のスイミー粉末)を与えています。(良く食べるが水槽が汚れる)
当館では、大型魚ですと水槽から飛び出すおそれがあるため、小型魚を展示していますが、人工飼料のクランブル、ペレットではなかなか育たず最後にはやせて死んでしまう魚が多いです。
また、植物性プランクトンの水があれば、それを汲んできて水槽に入れてやるのも良いと思います。
■飼育の注意点
温水性の魚ですからコイ、フナなどの水温と同じに飼育してください。
また、病気についても同様です。
注意する点としては、水槽から飛び出しますので、これを防止する必要があります。(地震、水の衝撃等で飛び出す)
病気とも関連しますが、鱗が細かく、スレに弱いため取扱には特に注意が必要です。また、取り扱う場合は、スレどめ、細菌性疾病等を防止するため、エルバジン薬浴(水1㎥当たり20g24時間)を日の光が当たらないよう暗くして行ってください。
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というわけで、売っている場所も教えてもらい、10cmくらいのハクレンを1匹200円で5匹、購入しました。購入したのは2月で、外の池で飼育されていましたので、急に高水温の水槽に入れるのは禁物です。低い水温から少しずつ少しずつ上げて行き、20~25℃まで持っていきました。
問題はエサです。ハクレンはプランクトン食性で微粒子のものを食べるのは分かっています。しかし、水族館からの手紙にもあったように「スイミーを粉のまま・・・水が汚れる。」それはそうだろうと思いました(^^;
それで結局、ビタシュリンプという粒の小さい顆粒状のエサを与えたのです。このビタシュリンプと言うのは、粒は小さいですが沈下性のエサです。ハクレンが底に沈んだ餌を食べてくれるのかが心配だったのですが、結果はこれで大丈夫でした。頭を下にして底の餌も良く食べ、皆やせることも無く元気に、1年半で25cmくらいまで成長してくれました(^^)v
飼ってみてわかったこと。
・底の餌もちゃんと食べる(前に書きましたが(^^;)
・他の川魚と比べて、かなり臆病。
不用意に水槽の近くを人が通るだけで、逃げ回って水槽のガラス面にぶつかる。
・たしかに、水槽から飛び出す。
ガラスのフタをしていても、スピードを乗せてジャンプをするので、フタをはね上げられてしまう。
また、ハクレンは、幼魚のときは目の位置は普通の魚と同じ、真横についているんですよ!それが大きくなるにつれ、だんだんと下の位置にさがってきます。
ウィキペディアにハクレンの幼魚の写真が載っていますので、そのことが確かめられると思います。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ハクレンなぜ目の位置が下になるのか?
理由は不明のようです。しかし、目の位置が下がるというよりは、幼魚のときと比べて頭部がかなり発達し、その結果、目の位置が下がるように見える感じです。
そして、発達した頭部にある脳下垂体ではたくさんの性腺刺激ホルモンや成長ホルモンが分泌されていて、ハクレンの脳下垂体から抽出したこれらの成分を「ハクレン抽出液」として、魚の養殖の分野などで役立てています。
ここからは、全くの私の想像ですが、ハクレンは視界の広さより、成長の早さや繁殖力を優先させたため、頭部が大きくなり、結果として目の位置が下がったのではないかなと・・・違いますかねぇ(^^;
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